特集:第14回大会報告 シンポジウム:読解教育をめぐって
初期段階での読解教育の必要性と可能性
キーワード:初級中国語,読解,ピンイン,分かち書き
现在大学公共汉语课,特别是在其初级阶段,教学重点多放在发音、口语和基本语法上,而培养阅读能力的机会不很多。笔者认为:日本学生本来具有一定的汉字知识,这无疑是他们在进行阅读时的一个优势,我们应该充分利用这一优势,从初级阶段起就积极开展阅读教学。附带说明一下,在阅读教材上标注拼音弊多于利,因为标注拼音不只是给汉字注音,实际上同时也起到区分单词的作用,而对学习者来说,将句子正确地划分为单词正是汉语阅读的基本功之一。
読解力養成への試み―現代白話書面語(論説体)への取り組みを中心に―
キーワード:白話書面語,論説体,馮勝利,レベル式教育法
現代中国語白話書面語(論説体)は,白話運動の影響を受け,半世紀以上にわたり独立したジャンルとしての研究・教育スキルの開発がなおざりにされていた。その間,特に韻律を尊ぶ中国語書き言葉の要請により,白話書面語は独自の文体を確立しつつあり,中国においても馮勝利を中心に研究が進められている。本報告は,この現状を踏まえ,日本における同分野の研究開発を提唱するとともに,三潴が独自に開発したレベル式教育法の内容とその教育効果を紹介する。
ピア・リーディングの実践報告―第二外国語中級クラスを中心に―
キーワード:
論文
「同類」を表す“也”と「も」――日本語母語話者が産出した誤用例の分析を通して――
キーワード:也,も,同類,誤用,主述述語文
表示“类同”的“也”是现代汉语最为常用而且易于理解的副词之一。因此,目前日本出版使用的汉语教材大多在入门阶段便早早引入“也”。然而,观察日语母语者的汉语使用状况,不难发现:“也”的偏误现象相当突出。究其因,乃受日语“も”的影响所致。本文以日语母语者产出的偏误句为对象,从日中语言对比的角度进行分析,通过揭示“也”与“も”的语法差异来挖掘引起偏误的原因,并以此为基础对汉语教学提出建议。
浅谈“了2”
キーワード:了1,了2,動態,事態,トピック
“了”について,ほとんどの教科書では,“了1”は動詞の直後に置かれ,「実現」や「完了」を表すのに対し,“了2”は文末に置かれ,「変化」あるいは「新状況の発生」を表し,さらに「願望・命令・注意」などのムードを表す場合があると説明されている。しかし,“了1”の「実現」,「完了」と“了2”の「変化」,「新状況」の区別は中国語学習者には難しい。その原因は“了2”の意味機能に対する誤解である。本稿は先行研究をふまえ,まず“了1”と比較しながら“了2”の基本義を明らかにし,次に“了2”のすべての用法はこの基本義から派生することを論じる。つまり,“了2”の基本的な意味機能は「変化」と「新状況」を表すのではなく,あるトピックがある事態,ある状況になっていることを説明する。「変化」,「新状況」,さまざまな言外の意味などの用法はいずれこの基本義から派生したと考えられる。
日本の大学における中国語専攻学習者の資格試験に対する動機づけ
キーワード:中国語学習者,動機づけ,資格試験,因子分析,学年差
本文以日本汉语学习者为对象进行问卷调查旨在了解和分析积极学习汉语的学生拥有的学习动机。基于学习动机先行于学习行动的理论基础,本文以
在日本某大学汉语专业的二、三、四年级的学生为调查对象,对他们参加HSK、中国语检定考试的动机进行了统计分析。因子分析结果表明,积极参加HSK、中国语检定考试的学生主要包含四个动机:(1)对学习有兴趣,想知道自己的水平等“内发因子”,(2)为通过就业考试等“实利因子”,(3)重视学习活动等“努力因子”,(4)因为其他同学都考,老师劝考等“关系因子”。3个年级的对比结果显示,二年级学生的“内发因子”和“实利因子”比四年级学生高。本文最后对日本汉语学习者的二外教学提出了相关对策。
日本と中国の遠隔交流が創出する質的価値の探究
キーワード:ICT 遠隔交流,質的データ分析,混合研究法,統合的解釈
随着信息化与全球化的发展,利用ICT进行外语教学实践以及如何保证教学质量的课题逐渐引起关注。但在汉语教学研究中,以知识积累型教学为基础,利用统计分析手法测量教学效果的定量研究范式仍占主导地位。本研究独创设计了利用中日远程交流的混合式学习模型,通过两国学生的自我评估来比较和探讨学生对教学成果的认识及价值评价的异同。为了表明概念解释和分析过程,本研究引入了质性数据分析手法SCAT(大谷,2008,2011)及混合研究法的整合手法(Creswell,2015)。根据研究结果发现了以下的异同点:(1)根据学生需求设定交流主题的教学方案获得高度评价;(2)学生对远程交流表现出很大兴趣;(3)远程交流的学习经历有利于学生的心智发展;(4)利用远程交流的学习模型对学生产生积极的影响。不同点在于,日方对交流活动本身感到喜悦和满足,而中方对于如何通过交流提高灵活运用日语来恰当表达想法的能力表现出更高的期待。
日本人的汉语学习观念研究―基于在华与在日汉语学习者的问卷调查及访谈―
キーワード:日本人 ,汉语学习者,汉语学习观念,对日汉语教学
本稿では量的・質的研究法を用い,日本人中国語学習者の中国語学習に関するビリーフ(以下,ビリーフ)の考察・分析をおこなった。これらより以下の研究結果が得られた。まず,日本人中国語学習者のビリーフの特徴は“自己言語能力に対する評価”,“中国語学習の目的”,“中国語学習のポイント”,“中国語学習の過程”,“中国語学習の難点”の5つの概念にまとめることができる。次に,学習者のビリーフには学習環境の違いにおける有意差は見られなかった。また,学習者のビリーフは自身の経験等によって支えられており,中国語レベルが上がるにつれ変化する傾向がみられた。これらの結果は日本人中国語教育の学習者の把握,また日本人中国語学習者自身が学習ストラテジーを考える際の参考になり得るものであると考える。
汉语高考的内容效度分析―以2010-2016年的试卷为对象―
キーワード:语言测试,内容效度,汉语高考,高中汉语教学,继承语教育
2016年度大学入試センター試験において,外国語科目総受験者530,748名のうち,中国語の受験者は482名にすぎなかった。現在,高等学校には2万人近くの中国語学習者がいるとされているが,何故中国語の受験者はこれほど少ないのだろうか。
本稿では言語テスト理論に基づき,2010年から2016年までのセンター試験「中国語」の内容的妥当性を検証した。その結果,語彙の難度が高すぎる等,高等学校での中国語教育の学習内容を超えている可能性が考えられ,問題作成部会による「問題作成の方針」とは合致しないような出題も見られた。異なるタイプの受験者層に対応するため,また他言語との平均点の差を縮めるため試験問題を調整した結果,一般の高校生には難しすぎて受験することができず,センター試験の本来の目的ともずれが生じ,内容的妥当性にも影響を及ぼしていると結論づけた。本稿の終わりでは,これらの問題に対してテストの公平性の観点から論述している。
日本語母語話者による中国語声調の知覚と産出
キーワード:2音節語声調,知覚・産出,カテゴリー知覚,導入順序
为了解决日语母语使用者在习得汉语双音节声调时容易出现的问题,本文进行了两次感知和产出实验。通过对实验结果的分析和考察,笔者发现在感知方面最为困难的是前音节的3声以及后音节的2声,在产出方面最困难的是前后音节的3声。笔者推论3声之所以困难,是由于两点原因:第一、在汉语教学方面更侧重“单独3声”的指导,从而导致“半3声”的输入不足;第二、由于2声和3声之间的范畴化感知,学习者无法很好地区分这两个相似的声调。针对这个问题,本文提出先教双音节声调再教单音节声调的指导建议。同时,通过笔者的共同研究,验证了这一建议确实能够有效促进感知方面的习得效果。
実践報告
「PPP」から「PNPP」へ
キーワード:気づき,テキストの導入順序,自己表出の方法の向上
为了更有效地提高高年级学生的汉语口语能力,我们在着重增加句式及词汇量的教学中,把伴随了学习者主动意识的“注意”(Noticing)机制导入传统的PPP(“提示-练习-产出”)教学模式中,并对其中三个P的顺序做了调整,形成了由PNPP(“产出-注意-提示-练习”)四个环节构成的新模式。新教学模式旨在学生通过第一阶段的“产出”活动,有意识地“注意”到自身的实际能力─哪些是已知的,哪些是未知的;哪些虽然知道但还不会用;哪些必须学习,以此使学生明确学习目标,增强学习动机,最终提高学习效果。教学实验表明,较之传统的PPP教学模式,PNPP模式更适合于高年级学生的会话教学。
变革:从语言教学到综合能力培养―「原語特殊講義(中国事情)」教学报告―
キーワード:中国语教育,汉语教学,综合能力,综合教学,变革
グローバル化は21世紀において,多様化と人やモノが相互につながるという時代をもたらした。学生たちが急速に発展する社会に適応できるように,21世紀の教育はますます学生たちの総合的能力の育成を重要視している。
筆者は,中国語教育,とりわけ本務校の中国学科における中国語教育が,学生の総合的能力の養成を全体の目標としなければならないと考えている。
本報告は講義科目「原語特殊講義(中国事情)」の教学実践の報告である。本授業の授業設計とカリキュラムの紹介,また,その分析や議論を通じて,一つの“学びの内容を教育的焦点とし,能力向上を教育的核心とし,言語教育を教育的基礎とする”三位一体の総合的教育アプローチ(integrated teaching approach)を示し,言語教学から総合的能力養成への転換の道すじを突き詰めていきたい。