経済開発協力機構(OECD)は,2018年5月に『The Future of Education and Skills Education 2030』を発表し,2030年に向けて備えるべき3つのコンピテンシー,すなわち「新たな価値を創造する力」,「緊張やジレンマを解決する力」,「責任をもつ力」を明らかにした。上記のコンピテンシーを,我われを取り巻く現状という文脈において多角的に分析した結果,当該のコンピテンシーを備えるためには,「他人と協同する力」および「個人の責任能力」を涵養することが必要であるという結論が導かれた。このような経緯から,本稿では,異なる中国語運用能力を有する学生が学びの共同体を構築し,協同学習により実施した中国語での街頭アンケートについて報告を行う。また,学生の振り返りシートを用いて,活動の学習効果および改善点についても分析を加えた。
「大のサッカーファンであるあなたは、仲間と一緒に、”FIFA World Cup 2018 Russia”の決勝戦を観戦するためにモスクワを訪れることにしました。短い滞在期間ですが、せっかくなので食事はすべてロシア料理にすると決めました。ロシア料理のルールにのっとり、メニューを見ながら食べたい料理を店員さんに注文します。」
東京都出身。上智大学外国語学部英語学科卒業。浦和市立高校教諭を経て、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)修士課程、博士課程修了、Ph.D.(応用言語学)。大東文化大学外国語学部英語学科助教授、コーネル大学現代語学科助教授、同アジア研究学科准教授(tenured)、 ピッツバーグ大学言語学科教授などを経て、現在ケースウエスタンリザーブ大学現代語・文学科教授(Eirik Borve Professor of Modern Languages)。 国立国語研究所客員教授、上智大学国際言語情報研究所客員研究員。専攻は、応用言語学、言語習得論。著書に、『外国語学習に成功する人、しない人』(岩波科学ライブラリー、2004)、『外国語学習の科学』(岩波新書、2008)、『しゃべる英文法(コスモピア、 2009)』『英語はもっと科学的に学習しよう』(中経出版、2013)『ことばの力学』(岩波新書、2013)などがある。