2023年度第1回研究会

1、開催日
 2023年8月5日(土)13:00〜15:20
・オンライン(zoom)で実施。8月3日または4日に申し込み者にZoomアドレスを送信予定です。
・参加費無料(こくちーずで事前申込)7月31日(月)23:59までに登録をお願いいたします。
 https://www.kokuchpro.com/event/d1c01de5241459645dc7051f65659342/

2、当日の流れ(発表30分+質疑応答10分=1人40分)
 13:00〜13:05  諸注意
 13:05〜13:45  発表者1(質疑応答含む)
 13:45〜13:50  休憩
 13:50〜14:30  発表者2(質疑応答含む)
 14:30〜14:40  休憩
 14:40〜15:20  発表者3(質疑応答含む)

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発表者1・研究発表
対面・遠隔場面における中国語学習者の聞き返しに関する考察
謝昀叡(北海道大学・院)

2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症の影響により、近年、web会議などの遠隔方式を通して、国際企業における会社間の会議や、語学授業でweb会議を利用したディスカッション ・学習などを行うことが日常化している。しかしながら、遠隔場面によるコミュニケーションにおいて、話すタイミングが難しい、反応がわかりづらいなどコミュニケーションがスムーズに行われない場合も少なくない。そのため、本調査では、対面場面と遠隔場面において中国語学習者が聞き取れない場合、どのように聞き返しのストラテジーを使用するかを中心に、同じ参加者による一対一の自由会話のデータを収集した。対面会話を比較することによって、遠隔会話の特徴を解明した。そして、日本人中国語学習者の聞き返しの特徴を明らかにすることによって、学習者の問題点を提示した。

 

発表者2・研究発表
“别”構文の使用における主観性及び認知的解釈                                                馬花力(大阪大学・院)
                                    
中国語の“别”構文についての研究は,“别+VP”と“别+VP+了”構文における動詞の意味特徴,文末助詞の文法的な意味及び使用前提などが中心に行われてきた(马希文1982,袁毓林1993,王红旗1999,项开喜2006,马真2016,马花力2020など)。“别”構文の使用における主観性について,王学群(2019)は同じ使用前提におき,話し手が聞き手の動作行為の状態(持続しているかどうか)に対する判断により,“别/不要……”と“别/不要……了”の使用を選択されると初めて指摘した。しかし,その主観性が生じるメカニズムについては,まだ解明されていない。本研究は“别+VP”と“别+VP+了”構文の使用における主観性をめぐって,話し手の認知的視点(perspective・point of view)の違いにより,二つの構文のイメージスキーマを明らかにしたうえに,視点の転換による図(figure)と地(ground)の反転で,“别+VP”と“别+VP+了”構文の選択使用における主観性のメカニズムを解明する。

 

発表者3・実践報告
朗読訓練が日本人中国語学習者の発音流暢度及び学習感情に与える影響
坂田美湖(北京大学・院)

どのように日本人中国語学習者(HSK5級相当)の口語を向上させるのか――。これまで高井収(2005)などの研究者が模索した結果、朗読訓練が第二言語の発音矯正に非常に効果的であると認知されてきたが、学習者の学習感情にも焦点を当てた研究はまだ研究の余地が残されている。
本実践は朗読訓練を実施した後、発音の流暢度や学習感情の変化の数値化を試みた。朗読訓練にはOral Interpretationを採用し、学習感情の調査には《外语课堂焦虑量表》と《中文版外语愉悦量表》を使用した。
結果、以下のことが明らかになった。
1)発音の正確性、速度、韻律特性など各方面で向上が見られた。
2)学習者の中国語を話すことに対する抵抗が軽減された。
3)学習者の口語レベルも同じくHSK上級に達しているとは限らない。
朗読訓練を通して、学習者に書面と口語の学習方法の差異に意識を持たせ、教員は学習者の学習感情にも重きを置きながら指導していくことで、学習者の口語は向上できると考える。

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